開放骨折における初期治療で取られる方法
開放骨折とは、折れてしまった骨が柔かな皮膚を突き破り外部に露出してしまっている状態を指します。
そうした状態の骨折に対する初期治療とはどのような方法で何が行われ、何をするべきなのか説明します。
【感染症の対策が初期治療において最も大事】
まず開放骨折において最も怖いのは、感染症です。
本来外気に晒される筈の無い器官である骨が露出しているため、外の悪い菌やウィルスなどに感染してしまう恐れがあるのです。
そうした感染症を予防するための方法として初期治療では骨折部分や、その周辺を洗浄し綺麗にするという方法がとられます。
同時に軟部組織に対して外科的処置を行い、治療も進めていくという方法になります。
そうして処置を進めて最後に骨折部の固定をします。
【抗生剤などの投薬】
開放骨折の初期治療には抗菌剤や抗生剤と言った感染症予防のための薬も使用されます。
感染症の予防段階でも抗生剤の効果は認められているようで、感染リスクをなるべく下げるためにも使用する方法を取るのがベストでしょう。
感染してしまえばより酷い病気や、最悪、患部が壊死し切断しなくてはならなくなるので、感染予防や対策は徹底的にやるべきなのです。
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【初期段階での応急処置】
とは言え、抗菌剤や抗生剤の適切な投与なんて素人に出来る方法ではありません。
傷口の洗浄なんて出来る出来ない以前に、開放骨折の患部に素人が触れてはそれこそ感染症の危険が跳ねあがります。
絶対にやらないでください。
上記で説明しているのはあくまでも医師が行う方法であり、素人ができる事は、まず可能な限り出血を止める事。
開放骨折による出血部位を心臓の位置より高くする事や、心臓に近い位置の動脈をしばらく抑えて圧迫止血する事。
また、開放骨折の傷口をまだ使っていない「清潔」なタオルで軽く、ふんわりと覆う事。
清潔でなければ意味はありません。
むしろ清潔でなかったら感染症の危険が出てきますので最悪です。
ふんわりと抑えるのは露出している骨を押し込んでしまうのが厳禁だからです。
このような事は初期治療というよりは応急処置と言えることですが、応急処置の知識も知っておいて損はないでしょう。
開放骨折で最も恐ろしい感染症の予防のために様々な手を打って初期治療が行われます。
初期治療の段階で感染するか否かが決まる為とても重要な事なのです。
とは言え、初期治療が済んでからも気は抜けません。
その後は経過を見ながら、本当に感染が起きていないかを慎重に見極めなくてはならず、骨折の治癒具合も確認しなければならないのですから。