骨折 腫れ ひかない 指 前腕

前腕骨遠位端部骨折によるひかない指の腫れ

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骨には血管が分布しているために、骨折をすると内出血による腫れが大抵は発生します。
このような内出血は、固定をして患部を安静にしていると、自然に吸収されることが一般的です。

 

しかしなかには固定をしていても、内出血が残存したままで、腫れがひかないケースが存在します。
とくに前腕骨遠位端部骨折では、指の部分の腫れがひかないために、しばしば問題になります。

 

前腕骨遠位端部骨折を起こした際の内出血の発生箇所は、もちろん前腕部です。
それにも関わらず指の部分が腫れるのは、内出血が周囲に拡散するためです。
しかも内出血は、重力の影響を受けることから、一般的に中枢方向よりも抹消方向により拡散します。

 

ここで問題になるのが、指に存在する軟部組織の量です。
前腕部分であれば、筋肉が豊富であるために、内出血を吸収する能力が優れています。
これに対して指は、筋肉が少なくて細いために、内出血を吸収する能力が高くありません。
結果として指に内出血が拡散すると、腫れがひかないことが多いのです。

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いっぽう腫れがひかないままになっていると、関節拘縮を起こし易くなります。
人間の指はとても細かな動作を求められますから、関節拘縮は大きな問題です。
そこで必要になるのが、早期から指の運動療法を実施することです。

 

骨折における運動療法は、ギプス固定が終了してから、普通は開始します。
しかしこのケースでは、指の関節拘縮が高度になる可能性が高まります。
そのため前腕骨遠位端部骨折では、指の運動療法を、固定中から積極的に行わなければなりません。

 

運動療法を実施すると、そのぶん筋肉のポンプ作用が働きます。
すると軟部組織が少ない指であっても、内出血の吸収を盛んにすることが可能です。
その点で医療機関は、前腕骨遠位端部骨折に対して、指関節の運動を制限しない固定を行っています。

 

具体的には、MP関節の屈曲を妨げないように、ギプスをカットするのが基本です。
したがって前腕骨遠位端部骨折を起こしたら、早期から指の運動療法ができるようになっています。

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